6月に治療の話をいただき、6月11日から年間48日の治療を行いました。
平成13年4月29日の花房の長さは70cm~80cm、長いものは100cmありました。
冬の剪定のときには、花芽と葉芽の区別がつかない程、樹勢が悪かったのですが、
松井春夫理学博士考案JM-7号を使用することにより、
写真のように県で一番きれいに花が咲きました。
治療前(平成12年6月20日撮影)
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掘さく後(平成12年7月30日撮影)
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純米酒入りキニヌール完了(平成12年8月6日撮影)
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5月7日から年間53日の治療を行いました。
平成14年4月25日の花房の長さは80cm~90cm、100cmを超えるものも随分増え、
一番長いものは114cm(3尺8寸)もありました。
この年は平年よりも気温が高く、二週間ほど開花が早まりました。
それゆえ、花房が長くなるのに障害をきたしているにもかかわらず、
前年より14cmも長くなったのは、樹勢回復が順調である証拠と言えます。
また、12月の剪定の時、花芽と葉芽がハッキリと分かる様になったことも、
もう一つの大きな改善と言えるでしょう。
この年の気温が平年並であれば、もっと花房が長くなっていたと考えられます。
仕上げとして前年と同じくJM-7号を投与したことも大きな勝因でした。
平成13年4月29日は、花房の長さ70~80cmが主で、長いものは100cmでした。
(平成13年4月29日撮影)
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右:白文鳥のロミオです。フジの樹勢回復の秘訣です。(平成13年5月18日撮影)
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5月3日から11月20日までに26日の治療を行いました。
しかし、残念ながら治療を打ち切ることになりました。
これは、県文化財保護室の『緊急防災対策河川工事に係る「下萱津の藤」への影響緩和策』と、
私の方針が、どうしても相容れなかったためです。
木々を愛して止まない私は、防災対策工事がこの大切な「下萱津の藤」にもたらす影響を
極力少なくしたかったのです。
しかし、この『緩和策』に従ってしまうと、折角回復してきた樹勢が必ず悪くなると確信しました。
それゆえ、もし、黙ってこのまま『緩和策』に従った作業をすると、
私はお金をもらって「下萱津の藤」を弱らせる事になってしまうと思ったのです。
私にはどうしても受け入れられませんでした。
とても残念です。
花がらの長さは最長114cm。去年より良くなっている(平成14年4月23日撮影)
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5月1日の花房は60~80cm、最長でも100cmでした。
前年よりも短くなってしまったのは調査堀で根を切られてしまったことが一番の原因です。
この様な場合、藤を守るためには花を咲かせないことが一番です。
「下萱津の藤」から遠のいてしまった私は、ただひたすら、
藤が元気で長生きをしてくれることを祈るのみです。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
樹齢 | 推定 約400年 |
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花房長 | 3尺7寸 |
樹種 | ナガフジ |
樹高 | 3m フジ棚作り |
根元周 | 3.8m |
面積 | 594㎡(国有 554.3㎡・民有 39.7㎡) |
指定種別 | 愛知県指定 天然記念物 |
成立地 | 河川敷 |
日照 | 良 |
通風 | 並 |
土壌 | 乾湿 並 排水 並 踏圧 堅い 土性 砂壌土 |
樹勢 | 若干被害がある |
樹形 | 人工樹形(フジ棚作り) |
枝の伸長量 | いく分少ないが目立たない |
梢端の枯損 | 少しあるが目立たない |
枝葉の密度 | 枝葉のバランスがやや劣 |
幹・大枝の状況 | 傷・空洞・不朽が著しく目立つ |
病害 | 葉の病気 無 幹の病気 有(コブ病) |
虫害 | 食葉性の害虫・せんこう性の害虫 |
気象害 | 無 |
土壌 | 踏圧害 |
幹 | 空洞・腐朽・外科手術痕 |
根 | 根株の腐朽 有 |
その他 | 子実体の発生(きのこ) |